2018年5月23日
  • 初めて人を雇う&初めて事業を拡大する社長のための社労士法人

Q&A

 

契約社員の法律が厳しくなったと聞きました、どのように変わったのですか?

平成24年8月3日に可決され、平成24年8月10日一部施行された労働契約法の改正が、契約社員(有期労働者)の契約に大きく影響する改正です。

概要は、
① 有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換
有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合(※1)は、労働者の申込みにより、無期労働契約(※2)に転換させる仕組みを導入する。

(※1) 原則として、6か月以上の空白期間(クーリング期間)があるときは、前の契約期間を通算しない。
(※2) 別段の定めがない限り、申込時点の有期労働契約と同一の労働条件。

② 有期労働契約の更新等(「雇止め法理」の法定化)
雇止め法理(判例法理) を制定法化する。 (※)
(※) 有期労働契約の反復更新により無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、または有期労働契約の期間満了後の雇用継続につき、合理的期待が認められる場合には、雇止めが客観的に合理的な由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、有期労働契約が更新(締結)されたとみなす。

③ 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止
有期契約労働者の労働条件が、期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合、その相違は、職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して、不合理と認められるものであってはならないと規定する。

施行期日:2については公布日(平成24年8月10日)。1、3については公布日から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日。

以上、厚生労働省HPより抜粋

となっています。やはりもっとも気になるのが、①有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換(無期転換ルール)、ですね。
契約期間が5年を超えると、自動的に「正社員」になってしまうと思いがちですが、そうではありません。また、今すでに、5年を超えて契約を更新している契約社員についても、この法律が施行されたからといって、その日から、労働者の申し込みが可能になるかというとそうでもありません。

ポイントは、「5年を超え」の考え方と、「無期雇用契約」とは何かということです。

まず「5年を超え」る契約とはどこからカウントするかというと、平成24年8月10日付で出た基発0810第2号「労働契約法の施行について」には、「同条の施行の日以後の日を契約期間の初日とする期間の定めのある労働契約について適用し、当該施行の日前の日が初日である有期労働契約の契約期間は、同条第1項の通算契約期間には算入しないものとされたものであること。」とあります。
つまり、施行日(平成24年から起算して1年を超えない範囲で政令で定める日、現状未定)以後の契約から適用されるため、それ以前の契約については、算入されません。

ですので、実際5年を超えるのは、だいたい5年後になるということです。

次に、「無期雇用契約」とは何を指すのでしょうか?
就業規則では、「有期(契約)社員」は、定めてあることが有りますが、無期雇用契約社員という身分を定めている企業はありません。では、無期雇用契約社員=正社員となるかというと、そうではありません。もちろん正社員の多くは、定年制度等を適用される「無期雇用契約社員」の一種に該当すると思いますが、無期雇用契約自体は、労働条件における「契約期間」の部分だけであり、他の労働条件が正社員である必要はありません。概要の(※2)にも、「別段の定めがない限り、申込時点の有期労働契約と同様の労働条件」とあります。あくまで、「契約期間」以外の労働条件は、有期労働契約のときと同一で構わないのです。したがって、単純に無期雇用契約社員=正社員とはならないのです。

②につづく


朝いつも始業時間ぎりぎりに出社する社員がいて困っています。どうしたらよいのでしょうか?

始業時間は、労働の開始時間であり、出社時間ではないことを、しっかりと教育する必要があります。

また、タイムカードを導入している会社であれば、タイムカードの場所についても、重要となってきます。会社の入り口など業務を行う場所から離れた所に置いていることがあります。そうなると、タイムカードデータ自体が、労働時間を指し示すデータではなくなってしまいます。上司などの労働時間の管理者の身近に置くことにより、始業時間の管理につながります。
また、電車通勤圏では、一般的に電車の遅れの場合、遅刻としないことが多いですが、車通勤と電車通勤が混在する地方では、電車の遅れを認めないことがあります。電車の遅れを事前に見越して早めに出社しているまじめな社員と、ぎりぎりに出社する社員の公平感を考えると、十数分の電車の遅れを認めるべきではありません。少なくとも遅延証明書を持ってくれば自動的に認めるような制度は不適切です。


就業規則がまだない会社ですが、従業員が医師の診断書をもってきて休職させてくださいと言ってきました。この場合休職させなければなりませんか?

業規則がなく休職制度がない場合、休職をさせることは義務ではありませ
ん。

ただし、会社の個別の判断として、休職(労働を免除する)ことは可能で
す。そのような場合については、休職中の給与の取扱い、社会保険料・住民税
等の取扱い、休職期間をいつまでとするのか、休職期間が終了しそれでも治ら
ない場合は、契約の解除となること、復職の判断の方法など、すべて書面で記
載して、本人に了解を得、署名してもらいましょう。


休職制度は、多くの会社にある制度のようですが、労働基準法などの法律で会社に義務づけられている制度なのですか?

いいえ、休職制度は、会社が任意で設置する制度となります。したがって、誰を対象とするのか、休職期間はどれくらいにするのか、どのような手続にするのかなどは、会社ごとに定めることができます。


健康診断を嫌がって受診しない従業員がいます。そのままにしておいて良いのでしょうか?

安全衛生法に定める定期健康診断は、従業員に受けさせる事が会社の義務となっています。

もし、万が一健康上の理由でその従業員が亡くなってしまった場合、本人は既にいないため、健康診断受診の拒否をしていた事実の確認のしようがなく、結果として遺族から安全配慮義務違反を問われかねません。
したがって対策としては、
1)就業規則等に健康診断受診義務を定め拒否した場合懲戒処分もできるようにすること
2)仮に本人がそれでも拒否した場合、書面で残しておくこと

などがあります。